人間万事塞翁が馬
先日会社帰りに初めて電車を乗り過ごしてしまいました。
音楽を聞きながらうとうとしてしまったようで、気づいた時には
電車は降りるはずの駅を出発したところでした。
運が悪いなとがっかりしましたが仕方ありません。
隣の駅で降り、反対側のホームで20分待って上り電車で戻りました。
お蔭でいつもよりも40分以上帰宅が遅くなりお腹もすいてきました。
駅からバスに乗って自宅近くの停留場で降りた時に見覚えのある女性がいました。
「Sさん」
声をかけるとやっぱりお隣の奥さんでした。
お隣のご主人は近くの大学病院の勤務医でお子さんもいないので
とても優雅な暮らしっぷりで、奥さんは外出時にいつも女優のような服装をしています。
その日も上質の紺色のコートを着て手には大きな紙袋をいくつも持っていました。
「ああ、Kさん、こんばんは。」「そうだ、Kさん、お弁当食べませんか?」
「実は私お相撲を見に行ったんだけど、急に来られない人がいて一人分余ってしまったんです。」
と言って幕の内弁当1人分、焼き鳥1パック、あんみつ2つを袋に入れて渡してくれました。
「いいんですか? 私夕飯がまだなのですごく嬉しいです。」と言って遠慮なくいただくことにしました。
国技館の特製弁当は非常においしく、焼き鳥もお肉がしっかりしていて子供達は「おいしい」「おいしい」と大喜びで食べました。
あんみつも私がいただきましたが、大変結構なお味でした。
今日の運勢は大逆転です。
このおいしいお弁当に出会うために私は電車を乗り過ごしたのだと思います。
人間万事塞翁が馬。
いやなことがあってもきっと良いこともある。
心にしみる言葉でした。
K.K