【コラム】健康寿命を延ばす生き方(後編)
「センテナリアン」という言葉は、まだ耳慣れない人も多いかもしれません。「1世紀(センチュリー)を生きた人」という意味で、100歳以上の人を指す言葉として使われるようになっています。現在、世界ではその数は45万人以上となり、毎年、史上最高値を更新しています。
世界の人達の平均寿命は、150年間でおよそ40歳から80歳に伸びているそうです。
さらに「スーパーセンテナリアン」という、110歳以上の人を表す言葉も使われるようになっています。
日本では、141人(2020年国勢調査)いらっしゃいます。
ちなみに史上最高齢の日本人は、119歳(1903年-2022年)田中カ子(カネ)さんで、検証済みの中では世界で2番目に長生きされた女性です。
先述した日野原重明氏は、95歳頃から毎週のように全国の小学校へ行き、10歳の児童に「いのちの授業」をされていました。
私もその授業様子を動画で見ましたが、元気に動き回りながら、命の尊さを小学生にも分かるように授業をされている姿に感心しました。
「命はなぜ目に見えないか。それは命とは君たちが持っている時間だからなんだよ。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう。どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい」
児童数分の聴診器が用意されていて、児童一人ひとりは、初めて聴く自分の心臓の鼓動に、命の不思議さを感じていたようです。
目には見えにくい「命」や「生きている」ことを強く実感したと思います。
サン=テグジュペリの小説「星の王子様」から「大切なものは目には見えないんだよ」という有名な言葉を紹介されているときも、命の尊さが子どもたちの心にスーッと入っていっているように感じました。
講師 佐伯 邦章