【コラム】人生100年時代をどう生きるか(後編)
今年の3月22日にアメリカのフロリダで行われたWBCの決勝戦の記憶は、まだ鮮明に残っていると思います。
野球の本場アメリカチームとの決勝戦は、手に汗を握る白熱した試合になりました。
3対2で優勝した瞬間、日本中が歓喜の渦に包まれたのではないかと思うくらい盛り上がりました。
それも1次ラウンドから全勝しての優勝です。
大会期間中を通じて、様々なドラマが展開され、多くの勇気と希望をもらいました。
その時の感動は、2011年3月11日に起きた東北大震災と同じ年の7月11日、ドイツで開催されたサッカーのワールドカップ決勝戦を思い出させました。
なでしこジャパンがアメリカチームと決勝戦を戦い、延長戦の末、PK戦において3-1で優勝した状況にとてもよく似ていました。
被災者だけでなく、多くの国民が再び立ち上がり、前進していこうという勇気と希望をもらったのではないでしょうか。
人生はスポーツと同じで、途中までいくら勝っていたとしても、最後に負ければ、悔しい思いをします。
仮に一時的に負けても、悔しさをバネに挑戦し、一流の選手に成長していくことができるなら、途中の負けは決して無駄にはなりません。
挑戦の中でこそ、ワクワク感も生まれるものです。
そして周りの人にも勇気と希望を与えることができるはずです。
仮に、勝負で負けたとしても、自分に負けない強い人間に成長できたならば、悔いは残らないと思います。
人は強くなった分だけ、幸せをつかめる自分に成長できるはずです。
私は、退職後の生き方がこれからの時代には一層、重要になると思っています。
挑戦の心を失った時から、気力や体力は弱っていくばかりです。
健康を損ない、悔いが残る人生になっては、あまりに残念です。
35年間の教員生活を終えた後、教育委員会での仕事のお誘いもいただきましたが、
退職後には、挑戦しようと思うことをかなり前から決め、事前に計画を立てていました。
退職したらすぐに取り組もうと考えていたことは次の3つです。
1)青春18きっぷでの一人旅 2)地球一周の船旅 3)起業
これらを計画通り実行してきました。
人が後悔する理由の多くは、おそらく、失敗したからではなく、挑戦しなかったからということではないでしょうか。
人生100年時代、私自身、今まで働いてきたと同じだけ残された貴重な時間を大切にし、
後悔がないよう、生涯挑戦の人生を貫いていこうと決めています。
講師 佐伯 邦章