挨拶を変えれば人生が変わる - “気働き”コミュニケーション術①

元気な挨拶は「一生モノ」の財産

コンビニエンスストアのドアを開けると、チャイム音とともにこんな声が聞こえてくることがあります。

「いらっしゃいませこんばんは~」

見ると、若い店員さんが忙しそうに商品を並べる作業をしています。

レジを済ませた方が出て行こうとすると、

「ありがとうございましたまたどうぞ~」

お客様の方を見向きもせず、相変わらず、商品を並べる作業を続けたままです。

皆さんも「聞き覚え」があると思います。抑揚もなく、いかにも「マニュアルどおりにやりました」と言わんばかりの平べったい声。どこにも気持ちがこもっていないのは、失礼ながら明らかですね。

「そういうものは、挨拶とは言いません!」

と、私は断言いたします。

逆に、挨拶がしっかりできる、ということは、それだけであなたの一生の財産です。会社などの組織で自分以外の人とともに時間・空間を過ごすのであれば、きちんとした挨拶はすべての出発点。一日を元気に過ごすうえでも、まずは朝の挨拶から“磨き”をかけていきましょう。

率先して、表情豊かに、アイコンタクトを取りながら

「挨拶5原則」と私が呼んでいる“ポイント”をご紹介していきましょう。すべて今日から実行できることばかりですよ!


1.先手必勝――挨拶は常にこちらから、明るく元気に爽やかに。深々としたお辞儀は不要。とにかく「声」を出しましょう。

2.Eye to Eyeで――アイコンタクトをしっかり。顔を見てもらえると、「自分に挨拶してもらった」と相手は確認できます。アイコンタクトのない挨拶では、してもらった気持ちになれません。

3.表情をつけて――アイコンタクトを取ると同時に、その場その場に合っている表情をつけます。

4.メリハリをつけて――挨拶をしているときは、きちっと挨拶をします。執務中は、執務をきっちり。だらだらとせず、メリハリを意識しましょう。

5.言葉と動作は別々に――「先言後礼」~先に言葉、後に礼。声を出しているときには、体は動かしません。相手の顔を見て「おはようございます」。「す」のときにお辞儀をするのがコツ。

いかがでしょうか。「1」~「5」はどれも簡単で基本的なことばかり。あなたが部長になっても役員になっても、これができなくてはいけませんね。

中でも「1」の「先手必勝」は年齢が高くなるとできなくなる方が多いのです。「なんで、私から?」と、考えてしまうのでしょう。そんな方に私はこう質問します。「なんで部長から挨拶してはいけないのですか?」

「2」の「Eye to Eye」はぜひ実験してみてください。2人で交互に、わざと“そっぽを向いた”状態で挨拶してみるのです。アイコンタクトの必要性を実感できるはずです。

「3」の「表情」も大切です。表情と声とは見事に「連動」しているのです。決して「笑いなさい」というのではありません。TPOをわきまえた「豊かな表情」を浮かべるのです。すると自然に「豊かな声」が出るようになります。

「挨拶の5原則」。この「5つ」を毎日しっかり実行するだけで、あなたの人生そのものが好転し始めるはずです。