声のみのコミュニケーション

電話の特性に“顔が見えない”ということがあげられることは前に触れました。受話器を通して聞こえる“声”だけしか頼るところはありません。それでは“声”だけで、どのようにしたら、活気や感じの良さが伝わるのでしょうか。

顔の表情と声の表情の連動

受話器から聞こえてくる声に活力があると、「この企業は勢いがあ ていいな。」という印象を持つものです。逆に、暗く重たい声だとどうでしょう。「この企業は大丈夫か。心配だな。」との印象を与えてしまうかもしれません。電話の第一声は、その企業のイメージを電話口の相手に無意識のうちに与えてしまいます。“明るい笑顔”は“明るく元気な声”を生み出します。顔の表情は声の表情と連動します。 常に目の前に相手がいるようなイメージで、受話器と向かい合うように心掛けましょう。

笑声(エゴエ)の重要性

わらい声ではありません。“エゴエ”といいます。顔の表情を明るくすることにより、自然と口角が上がってきます。口角が上がると、 「口の開閉がスムーズになり、滑舌よく正確な発音ができるようになります。笑声(エゴエ)は言葉にも自然と柔らかさを与え、相手の気持ちを和ませる要素もあります。

第一声は「明るく・元気に・さわやかに」

アナウンサーのようなきれいな声であれば言うことはありません が、大切なのは「明るく・元気に・さわやかに」。その上で自分らしさ をプラスすれば、個性的な声色でも感じのよさは自ずと相手に伝わ るはずです。「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます。」など、第一声のフレーズは各社決まりがあると思います。そのフレーズに従い、あなたの明るさを電話口の相手に届けるように発声してみましょう。

電話のマナー

顔の表情や姿が見えない分、電話のマナーは対面時よりも、さらに気を配りたいものです。

  1. 机の上の整理整頓=頭の中の整理整頓。
  2. 第一声は発音発声を明確にする。笑声(エゴエ)を用いる。
  3. しっかりと名乗る。
  4. 正確な敬語、ビジネス慣用句を用いる。
  5. 利き手と反対の手に受話器を持ち、メモをとる習慣をつける。
  6. 長く待たせない工夫をする。
  7. 取り次ぐ時には、それまで応対した内容を伝える。
  8. タライ回しをしない。
  9. 周囲の雑音が入らないように気を付ける(特に笑い声には注意)。
  10. 同音語・類音語による思い込みをなくす(必ず復唱確認をする)。