相手のリクエストを“先読み”せよ! - “気働き”コミュニケーション術⑥
キャビンアテンダントさんの“先読み”能力
先日、羽田から伊丹へ向かう飛行機の中で、こんな出来事がありました。
たまたま私のひとつ後ろの席が、子連れのご夫婦。お子さんは声からすると女の子で、まだ飛行機が楽しい年齢でもなさそうです。
ということは……。
「ギャ~ッ!」
離陸してしばらくすると、最初の自己主張タイムが始まります。エンジン音に負けないくらいの大音量。すかさずキャビンアテンダント(CA)さんがかわいいマスコット(?)を持って近寄り、
「ほ~ら、どれが好きかな~?」
すると、膨らんでいた風船の空気がシューっと抜けるように自己主張もトーンダウン。すぐに愛らしい笑い声に変わりました。
そして降下を始めるころになって、どうやら第二部の開演。
「ギギギャ~ッ!」
小一時間じっとしていたことで、よりエネルギーが蓄えられたのでしょう。3~4列前に座っている人が振り返るくらいの大熱演。するとすぐに、
「ポケモンのご本、見ようか~♪」
見事に第二部も終演。まるで消火器が炎を鎮めるような的確なケア、サービスぶりに改めて感動したのです。
「CAさんなら、当たり前」と思われる方もいらっしゃるでしょう。確かにその通りかもしれません。しかし、私が「感動」とあえて申し上げるのは、すべてが相手の望むことを「先読み」した結果であり、しかもリクエストされる前に起こした行動だからです。
CAさんにしてみれば、飛行中に小さい子が泣きだすこと、その場合の対応などは「先読み」の中に入らないかもしれませんが……。
「気働き3原則」とは?
こうしたCAさんの対応ぶりを見ていると、「気働き」という言葉が浮かんできます。
「気働き」とは、「気が利くこと」「機転」という意味合い。「気配り」(=心づかい)と比較すると、テキパキと仕事を進めている人にピッタリくる印象ですね。
では、私たちが「気働き」すなわち「気を利かせる」「機転を利かせる」には、具体的にどうすればよいのでしょうか――。次の3つの原則でご説明していきましょう。
これらが的確にできれば、あなたは「気働き」の達人。「さすが、気が利くね~」「やっぱり、仕事を頼むなら○○さんだね!」という評価を“無理なく”得ることができるはずです。
1.相手のリクエストを先読みする。
2.相手に指示される前に、自分が動く(先手必勝!)。
3.しかも、さりげなく、爽やかに!
書くのは簡単ですが、実行にはかなりの集中力とエネルギーが必要です。特に「3」は“盲点”になりやすいので要注意ですね。せっかくの行動が「いやみ」に感じられてしまっては、「気働き」「機転」とは言えなくなってしまいます。
手始めに、あなたの上司の行動を観察してみましょう。「外出前に必ず部下に指示することは?」「外出から戻って、いつも最初に言われることは?」――。このあたりから相手の行動パターンを把握し、先回りして“言われる前に”実行するのです。しかも、爽やかな印象が残るように……!
相手の気持ちにサッとさりげなく沿えること。これがポイントだと思います。